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ひらがなの美しさを身にまとう

書家/デザイナー國廣沙織(くにひろさおり)広島県出身 東京在住 6歳より書を始める。2011年より“書”を基盤として、国際交流活動を重ね、商業ロゴ制作、書籍題字、命名書、印鑑制作、書道 に関するワークショップの開催など活動中。

日本特有の文字「ひらがな」が持つ、曲線の美しさ、日本の伝統を残していきたいをいう想いが込められたアクセサリー「Hiragana」。常に心に留めておきたい言葉を美しく身にまとえるジュエリーである

December 7 2016 , Interview

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「ひらがな」の美しさに魅了され、日本の伝統として受け継ぎ、世界にも伝えていきたいと思い「Hiragana」を作り始めた書家の國廣沙織さん。

6歳から書をたしなみ、11年に書を仕事として極めたいと一念発起。誰もが書に親しんでもらえるようになるには、自分自身が発信力やデザイン力を身に付けていかなくてはならないと思い、グラフィックデザインやウェブデザインを学び、活動の幅を広げてきた。

初めは名刺のデザインを手掛けるようになり、名前をひらがなにしデザインしていた。

「文字の成り立ちを調べていく中で、かな文字が好きになり、かな文字の美しさに共感してもらいたいと思うようになりました。初めは名刺のデザインやロゴデザインなどをしてました。バランスを考えながら文字を繋げてみると面白いデザインになるのです。そこで名前でアクセサリーを作ったら面白いかなと思い、実際に作ってみたのです」

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完成したピアスは長さが約10cm近くある大きなものであったが、周囲の反応は上々。「私も作って欲しい」という声も。みんなに興味を持ってもらえたのをきっかけに、本格的に「hiragana」を始めることにした。

紙、アクリル、ステンレス、3Dプリンタなど、自分で加工できる範囲のあらゆる素材で試作をしてきた。だが、クオリティーを上げるためには外部に制作を依頼した方が良いということに至り、初めに尋ねたのは都内の板金工場だった。

真鍮をレーザーカッターでカットし、仕上下磨きをしてみたが、真鍮は時間と共に酸化し黒ずんでくる。味はあるがゴールドの様な輝きは常に手入れをしていないと続かない。また、レーザーカッターでカットできる範囲にも限界があるため、ココでの量産は断念することとなった。

その後も色んな彫金職人と出会い、今の職人と巡り合った。

「デザインはできても、彫金の知識はないので、本格的に動き出してから現在、制作をお願いしているの職人さんに出会うまでは紆余曲折がありましたが、今は満足いく商品ができたと思います」

百貨店の期間限定販売で直接、お客様から要望を聞くと「もっと色んなアイテムを作りたいと思いますね」と國廣さん。

現在、使用している素材は10金、18金、シルバー。言葉が持つ“重み”と素材の良さをリンクさせたいと考えた末、上質な素材で作ることになった。永く身に付けられて、優しい輝きを放つ10金が、ひらがなのもつ優しいイメージや美しい曲線にとてもマッチしている。

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「Hiragana」では「ありがとう」「うつくしい」「きずな」「ゆめ」「あいしてる」「すき」「こころ」「とうきょう」「しぶや」「ひろしま」「ぎんざ」「ことぶき」「さくら」の13の言葉をメインに展開。これは「心に留めておきたい言葉」と「世界に発信したい言葉」を集めたものだ。

「人気があるのは『ありがとう』や『うつくしい』ですね。また、プレゼントに『すき』や『あいしてる』を送る方も多いです。地名は世界に知ってもらいたい場所から作りましたが、催事に合わせて作ることもあります。『ゆめ』は色んな職人さんと出会い、制作作業をしている中で思い浮かんだ言葉です。よく目標を見えるところに張って頑張る方がいるのを思い出して、私も『夢を忘れないように』と思い、作りました」

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11月から販売を始めた新作の「暦シリーズ」は季節の情景を感じる言葉を集めている。和暦の月名とその季節の花を組み合わせが選べるシリーズになっている。誕生石のアクセサリーを選ぶように、3月なら「やよい」と「すみれ」、11月なら「しもつき」と「もみじ」のように、大切な人の生まれ月と季節の花をプレゼントすることができる。ジュエリーを

通じて、和の心、言葉の意味など感じられるいつもを違う誕生日プレゼントになるだろう。

英語をあしらったアクセサリーは多く存在しているが、ひらがなをモチーフにしたアクセサリーは珍しい。また日本語をモチーフにしたアクセサリーと言うと、古臭いイメージや『和』を全面に打ち出し過ぎておしゃれな感じがしないこともある。

それに対し「Hiragana」は和の良さを持ちながらも、華奢でスタイリッシュな雰囲気に仕上がっている。すでに海外でも展開しており、海外のお土産としての需要もあるそうだが「一番に日本人に身に付けていただきたいです」と國廣さん。

確かに日本語は美しいと思っていながらも、街を見てみると外国語が氾濫している。そこで日本語のモチーフであっても「素敵だ」と自信をもって身に付けられるジュエリーを作ることで、日本人こそ日本語へ関心を持ってもらえるだろう。

「Hiragana」を通じて、今はインテリアや雑貨などのデザインにも携わる國廣さん。今後もアクセサリー以外に色んなアイテムに挑戦したいと考えているようだが。

「それよりも今の私にとって「Hiragana」は大切なテーマになっています。今後はこれを大切に守りつつ、広げていきたいです」と「Hiragana」への思いを熱く語ってくれた。

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Text: Kaori Tomabechi
Picture: Kaori Tomabechi
Photo Credit:BAEMS JAPAN

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國廣沙織

書家/デザイナー
広島県出身 東京在住
6歳より書を始める。2011 年より" 書" を基盤として、国際交流活動を重ね、商業ロゴ制作、書籍題字、命名書、印鑑制作、書道 に関するワークショップの開催など活動中。
URL:www.saorikunihiro.com

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hiraganaひらがな

のびやかな線、自在な文字の連なり、間合い。書家・國廣沙織は『ひらがな』のうつくしさに魅了されてきました。万葉の時代から受け継がれる「かな」は日本特有の文字文化。千年の時を通じ日本人の想いを伝えてきた伝統を今に結びつけることは、ひとりの書家としての使命でもあります。
その一心で生み出した、書を身近に感じ、日本の美意識を共有できる新しい形が「Hiragana」のシリーズです。
URL:www.saorikunihiro.com

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