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和風とかモダン・ジャパニーズとか“スタイル”ではなく精神性に目を向けた“wad(=和道)”

コンテンポラリーな『和』を中心に据えたライフスタイルを体現しているお店。日本の良きモノ」をコンセプトに一点一点にこだわり、ひとつひとつに込められた"心"を伝え続け、 "違い"を楽しむ生活を提案します。 茶道の精神をアレンジし、器と素材を楽しむカフェスペースも併設。

July 12 2017 , Shop Report

大阪は南船場。御堂筋を挟んで心斎橋筋の反対側のポジション、あとアメリカ村に長堀通りを挟んで対峙するエリア。かつて盛んに新しいお店ができてはいつの間にかなくなりという新陳代謝を繰り返して、最近は良いお店が残りだんだんと落ち着いてきたような感じがします。

そんな落ち着いてきた南船場の“南船場らしい”感じのお店『wad』さんについて。

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さまざまな場所や場面で「和」についての見直しが行われていて、新しい「和」の提案が行われていますが、等身大でありながらリアルな「和」についてはこの“wad”さんが一番いいところにいるように感じます。スタイルとしてリアルな生活で実践するのには究極のミニマリズムとかシンプルの極みっていうのはなかなか難しいものがありますが、手の届く範囲というか興味が向いている方向性から手が付けやすいんじゃないかと思います。

 

お店は外階段を上がって行きます。2階にショップとカフェ。

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無理に和風を入れてる感じじゃなくコンテンポラリーな「和」。トータルに和風を表現しようってもんじゃなく、気に入った生活周りが「和」になったという風情がリラックスしていて心地よいです。

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お湯を沸かす所作にまで行き届いた感性が堪らないですね。囲炉裏や火鉢となると難しいのですがこうした形なら家にあってもいいかなというのがミソ。柄杓も普段は使わないのですが風炉に風炉釜を使えば柄杓も建水も必要。ただ茶室じゃない場所でどう使うかの提案がうれしいですね。コンクリートの素材感に嵌ってます!

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この日、いろいろお話をうかがった店主の小林剛人さん。名前と裏腹に柔らかな人当り(笑)。

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しかしながらこの“wad”がスタイルに留まらない一つのポイントが『金継ぎ』をやっていること。ここがほかの店とは確実に一線を画しています。

わたしも金継については実は一番興味があるところでありながら、やってくれるところがなかなかないので見たいなぁと思っていたところ。なかなか近くになくて雲の上の存在だったものに南船場で出会えました。

金継とは割れや欠けた器を修復する技術で、こちら“wad”さんでは本金継と簡易金継で対応してくれます。ただ予約でいっぱいですが(笑)。

金継は単に技術に留まらないところがあって、外国人のアーティストやデザイナーに最も驚かれ、感心されたりする日本的な精神性であり美意識であると思うんですね。モノを大事にするというだけのものではなく、壊れてしまう儚さや壊れたものに新しい美を見出してしまうような哲学はまさに日本だけのものだと思います。そうでありながら、そうしたものは私たちの生活からは遠い世界にあるような気がしていたんですが、こんなに身近に実践されているのを見ると嬉しくなってしまいます。

コレを見られるのがイチバンいいかな。

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3階はギャラリー。躯体にペンキを塗っただけのシンプルな空間。ラフな地肌に最低限の色を重ねただけですが力強い迫力があります。この辺りの空間感覚南船場系のリアルな風情。

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和風の追及とか、和の空間性とか高尚な哲学じゃなくて、日常的にある 「和」というのが今日的。

スタイルとしての和風や伝統文化としての和じゃなくて、モノの背後にある精神性を見て欲しいから「wad(=和道)」なんですね。ステキです。

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南船場は結局なかなか完成しない街で、10数年前のブームからこれ以上の変化がなく相変わらずユルい感じです。商業一辺倒にならずいろいろなものがまじりあっているのがイイ感じです。

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心斎橋筋も観光客でいっぱいですが。御堂筋を越えてこちらには来ないようでのんびりした風情です。

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じっくり調べてから行かないと何が隠されているのか、外側からはまったくわからないですよね。そこがこの街の魅力です。一度、南船場をそうざらいしないといけないですね。

 

 

 

Text: Koichiro Sato
Picture: Koichiro Sato

Shop Data

Shop data

wad

住所:
〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場4-9-3 東新ビル 2F
TEL:06-4708-3616 公式サイト:wad-cafe.com

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